二度とあえなくても、またいつか
父は転勤が多いひとだった。僕は幸い行く先々で友だちを作ることに苦労しなかったが、それでも「自分はよそ者だ」という引け目は常に感じていた。
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2019年8月11日
自殺する本能
いざその時を迎えると僕の身体は思ったように機能しなかった。「はじめてなら上手くできないのは珍しいことじゃないよ」お姉さんはそう言ってもういちど僕の頭を撫でた。
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2019年8月9日
わたしより綺麗な子と仲良くしたくない
わたしがリーコの友だちで居るのは彼女がわたしより醜かったからだ。
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2019年7月19日
夕陽のアルバート
アルバートは死なない。アルバートは老いない。アルバートには無限の時間がある。親しい人間が死んでいくたびにアルバートは情けないほど泣いた。
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2019年6月20日
傘が刺さる距離にて
あの夏休みは死ぬほど素晴らしかった。ふたりともお金がなかったのでわたしの部屋に籠もってばかりいた。脳がふやけそうなセックスに身も心も沈めた。生ぬるい沼の底にいるような日々をだらだらと過ごした。わたしたちは恋人同士ではなかった。
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2019年6月11日
わたしが醜く悪い子になったら
スマートフォンには今日会うはずだった彼氏からのメッセージが数件届いていた。わたしはその内容を読むことなくスマートフォンを鞄の中に戻した。
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2019年6月3日
彼女は明日もゆっくり歩くだろう
「私の父はどうして死んだのだろう」「どうして私の母はあんなひとなのだろう」「なぜ私ばかり家族のことで辛い思いをしなければいけないのだろう」と自身の境遇を呪った。
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2019年5月12日
ある悪人について
駅で盗撮をした男が逮捕された。ニュースサイトのコメント欄には犯人に向けた非難と軽蔑と嘲笑で溢れかえっていた。
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2019年5月11日
あなたが神さまになっても
兄は数年前から神さまを自称するようになった。僕は頭が良くないので神さまというのがどんなものなのかを理解することができない。でもあの立派な兄が自分のことを神さまだというなら、実際に兄は神さまなのだろう。
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2019年4月26日
正義も愛も報われない日のこと
「正しく生きれば報われるなんて。恵まれた世界しか知らないのね」
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2019年4月25日
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