夕陽のアルバート
アルバートは死なない。アルバートは老いない。アルバートには無限の時間がある。親しい人間が死んでいくたびにアルバートは情けないほど泣いた。
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2019年6月20日
傘が刺さる距離にて
あの夏休みは死ぬほど素晴らしかった。ふたりともお金がなかったのでわたしの部屋に籠もってばかりいた。脳がふやけそうなセックスに身も心も沈めた。生ぬるい沼の底にいるような日々をだらだらと過ごした。わたしたちは恋人同士ではなかった。
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2019年6月11日
わたしが醜く悪い子になったら
スマートフォンには今日会うはずだった彼氏からのメッセージが数件届いていた。わたしはその内容を読むことなくスマートフォンを鞄の中に戻した。
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2019年6月3日
彼女は明日もゆっくり歩くだろう
「私の父はどうして死んだのだろう」「どうして私の母はあんなひとなのだろう」「なぜ私ばかり家族のことで辛い思いをしなければいけないのだろう」と自身の境遇を呪った。
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2019年5月12日
ある悪人について
駅で盗撮をした男が逮捕された。ニュースサイトのコメント欄には犯人に向けた非難と軽蔑と嘲笑で溢れかえっていた。
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2019年5月11日
あなたが神さまになっても
兄は数年前から神さまを自称するようになった。僕は頭が良くないので神さまというのがどんなものなのかを理解することができない。でもあの立派な兄が自分のことを神さまだというなら、実際に兄は神さまなのだろう。
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2019年4月26日
正義も愛も報われない日のこと
「正しく生きれば報われるなんて。恵まれた世界しか知らないのね」
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2019年4月25日
私を好きなひとへ
両親は彼らなりに姉のことを愛していたと思う。だけど彼女がどんな人間かを理解することは、ついぞできなかった。
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2019年4月10日
夢と魔法のペルフェティ
ペルフェティの姿を目の当たりにしたとき僕は驚いた。道化師のような化粧を施したペルフェティが男性とも女性ともつかない美しくユニークな格好をしていたからではない。
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2019年3月25日
諦めた者の夕べ
ひとつの夢を諦めずに続けて叶えるひとは稀だ。だが一方で諦めずにいること自体はとても簡単だ。それよりはむしろ諦めることの方がずっと難しかった。
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2019年3月23日
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