水族館を歩くように生きたい

彼女は明日もゆっくり歩くだろう」という掌編小説を先日公開しました。Twitterでフォロー頂いている方から「誕生日を迎えたので一作書いて欲しい」ということでご依頼いただいたものです。節目の記録に選んでもらえるのはとても嬉しいものです。
 
執筆にあたって色々とお話を聞き、その中にあった色々なテーマをお話の中に盛り込んでいます。僕は小説を書くとき、基本的に自分以外の人物をモデルにしていますし、特に「あなたのショートショート」で書いているものについては、それこそ僕ではなく、モデルになってくださる方のための作品という位置づけになっているので、自分の経験や価値観をより意識的に排するよう心がけています。もちろん今回のお話でもそれは変わりません。
 
とはいえ今回タイトルになっている「人生を歩く速さ」というところは、僕自身にとっても大きなテーマなので、手を動かしながら考える部分が多くありました。
 
自分の人生を歩く時に、平均値からそれほど外れない速さ出歩けるひと、短い時間で遠くの距離まで駆け抜けられるひと、ゆっくりとしか歩けないひと、それぞれいると思います。
 
僕自身も、歩く速度はだいぶゆっくりです。ゆっくりなだけでなく、まっすぐ歩けているかどうかもずいぶん疑問です。寄り道や回り道も多くしているように思います。ふと周りを見れば、自分は遅れているのだろう、と思うことはやっぱり少なくない。
 
それでもゆっくりとしか歩けないのであれば、ゆっくり歩くことを楽しむような生き方、ゆっくりでしか見えないものを拾い上げていく生き方を僕もしていきたい。
 
例えるなら、美術館とか、水族館とか、そういう場所を歩く時のように。そこにあるひとつひとつのものを、じっくりと眺めながら生きていければなと思います。
 
 

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