5月5日:もう1ヶ月も生きている

自分史上いちばんハードでいちばん短い一ヶ月間だった。

娘が生まれてから一ヶ月が経った。お腹が空いたとかオムツが蒸れているとかだけではなく、ひとが傍にいないと寂しいとか情緒的な理由でも泣くようになってきたように感じる。

手の使い方はよく分かっていない様子。現状では「意識を集中させた先に伸びていく物体」ぐらいの認識なのだろうか。そのため授乳のときなんかはつい顔をひっかいてしまいがち。心配だけれど妻が念入りにケアしているのと代謝が良いのとで傷の治りは早い。

全身の力がすごく強くなった。はじめて病院でオムツを換えた時は脚をばたつかせても「僕の顔ぐらいいくらでも蹴ればいいよ」ぐらいの気持ちだったのだけど、今はもう当たりどころ次第ではちょっと危機感を感じる。眼鏡ぐらいならかんたんに蹴り飛ばしてしまう。

一ヶ月検診の日は出産祝いに貰ったおしゃれな服を着た。新型コロナの影響で僕は病院に行けないから妻とふたりでその日は出かけていった。娘にとっては退院した日以来の外出。外の日差しを眩しそうにしていた。

検診の結果は母子ともに健康。それ以降、僕や妻にもいくぶんか気持ちの余裕が出てきたように思う。最初のうちは「これで良いのだろうか」「なにか致命的に間違えてはいないだろうか」「ちゃんと息しているだろうか」と何をするにもびくびくしていたのだけど、一ヶ月経ち「概ね大丈夫ですよ」のお墨付きが貰えたことでずいぶん肩の荷が軽くなった。ハードな日々の中でチカラの抜きどころみたいなものも心得てきたような気がする。

もう少し経てばベビーカーに乗せてちょっとした散歩なんかもできるようになる。最初は近所の空いている道をほんのすこしだけ歩く程度だろう。そのために今は毎朝窓を開けて外気に少しずつ慣らすことからやっている。

商業施設や公園にも出かけたいのだけどそっちは世の中の状況次第だろう。早く平和になってほしい。あなたに会いたいといってくれているひとがたくさんいる。

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