掌編小説 Mal tiempo buena cara 以前のワタシは、自分の人生の何もかもを、他者の決定に委ねるだけだった。自分がこんなに、何かに悩むなんて、想像することもなかったのだ。 2019.02.11 掌編小説
掌編小説 弱く優しい少年たちは 僕はいじめられっ子だった。身体が小さく喧嘩も弱くスポーツだって苦手だったからだ。けれどある時ダイキくんがみんなの前で言った。「喧嘩?スポーツ?そんなのでひとの順番が決まるなんてすごく変だと思う」 2019.01.28 掌編小説
掌編小説 母と、母の男、それから銃について 母は私を確かに愛していた。でもそれ以上にあの男を愛していた。どんな時でも私を守ってくれた母は、男が私を殴る時だけ、見て見ぬふりをした。 2019.01.26 掌編小説
掌編小説 あなたがヒトをやめる場所 『夫婦が別室で寝るようになったらそれは離婚の前兆』とテレビ番組のコメンテーターが話していた。交際をはじめたばかりの頃、夫はある生き物についてわたしに話してくれた。 2019.01.18 掌編小説
掌編小説 痩せた醜い野良犬になっても 私は二十七歳。恋人は妻子持ち。身の回りでは結婚や出産の話題が毎日のように飛び交う。彼の夫婦関係は冷めきっているけど、離婚した上で自分と再婚してくれるなんて甘い期待を抱くほど私の頭はお花畑ではない。 2019.01.14 掌編小説
掌編小説 youtu,be WvykFUTxWdQ&t 彼は他のヒトビトと同じように、正しい遺伝子を用いて、正しい方法で以って生み出されました。ですから他の人間たちと、ほんの少しも違っているはずがありませんが、どういうわけだか彼は、耳が聞こえません。 2019.01.07 掌編小説