掌編小説 痩せた醜い野良犬になっても 私は二十七歳。恋人は妻子持ち。身の回りでは結婚や出産の話題が毎日のように飛び交う。彼の夫婦関係は冷めきっているけど、離婚した上で自分と再婚してくれるなんて甘い期待を抱くほど私の頭はお花畑ではない。 2019.01.14 掌編小説
掌編小説 youtu,be WvykFUTxWdQ&t 彼は他のヒトビトと同じように、正しい遺伝子を用いて、正しい方法で以って生み出されました。ですから他の人間たちと、ほんの少しも違っているはずがありませんが、どういうわけだか彼は、耳が聞こえません。 2019.01.07 掌編小説
掌編小説 海辺と魔女の夜 決して叶わないことを強く望むのはすごく怖いじゃないか。望みをどんなに強くしたって叶わないのであれば、自分で火種から大きくした炎に、焼き尽くされるだけだ。 2018.12.29 掌編小説
ぺんかわ日記 マリオ・カービィと「勝ち組・負け組」の話 先日Twitterで「人生は配られたカードで勝負するしかない。とはいえ配られたカードがロイヤルストレートフラッシュみたいな人を見るとやっぱり嫉妬するよね」という旨のツイートを目にした。 2018.12.25 ぺんかわ日記
掌編小説 フクロウと仲良くなる方法 恋人とはもう三ヶ月ぐらい顔を合わせていない。最後にメッセージのやり取りをしたのだって一週間は前だ。「それって付き合ってるっていう?」と知人は顔をしかめた。 2018.12.20 掌編小説
掌編小説 わたしを飲みこむ理想郷 高校生の頃。金魚鉢で神さまを育てるのが流行った。育て方はとても簡単だ。金魚鉢の中に、ホームセンターなどで売られていた「神さまの種」を入れて、あとは毎日ほんの数滴ずつ、自分の血液を垂らしてやるだけだ。 2018.12.13 掌編小説