掌編小説 あなたの眼だけが写す価値 あらゆる被写体を無価値に見せることが彼の作品の大きな特徴だった。燦然と輝く百万ドルの夜景も腐った犬小屋も、サンゴ礁の海も工場排水で汚れたドブ川も、何十億人に救いを届ける神様の彫像もこのちっぽけなおれも、彼が撮る作品の中では平等に無価値だった。 2018.12.02 掌編小説
掌編小説 機械の星の096 機械たちはお互いのことを番号で呼び合います。この番号は個体ごとの性能の高さを示すものでもあります。例えばそこの096という機械は、095という機械よりも少し優れており、097という機械よりは僅かに劣っています。 2018.11.29 掌編小説
ねこぺん家族 11月18日:冬毛になるいきものたち うちの近所には青い目をした可愛い野良猫がいて、僕はカフェラテと呼んでいるのだけど、ずいぶん懐いてくれているので仕事の合間や疲れたときにフラっと会いにいくとたくさん遊んでくれる。 2018.11.18 ねこぺん家族
掌編小説 ケモノと青い月 恋人の家から帰るまでのあいだ、わたしはずっとニコニコ、笑っていられたと思う。わたしがニコニコ笑っていることができれば、恋人は喜ぶ。わたしは恋人が好きで、彼に喜んで欲しいと思うから、一緒にいる時はいつもそうしている。 2018.11.17 掌編小説
掌編小説 あの日に望んだ美しさじゃなくても 虫人というのは虫の血が混じった人間のことだ。彼らは普段、普通のひととまったく同じ見た目をしているけど、満月の夜に青い花の匂いを嗅ぐと羽根や触覚が生え、巨大な虫の姿に変身するという。 2018.11.15 掌編小説
ねこぺん家族 11月13日:不思議の国のねこぺん 人間関係には「共通点で繋がるタイプ」と「相違点で繋がるタイプ」の2種類があって、双方にそれぞれやりやすい面とやりにくい面があるのだけど、自分と妻は完全に相違点で繋がったタイプなのだと思う。 2018.11.13 ねこぺん家族
ぺんかわ日記 フグを食べてみたくて 変な喩えだけどフグみたいなヒトがいっぱいいるわけですよ。僕はフグの毒を抜いて料理するとかできないんだけれど、だからといってフグが高級で美味しい魚だってことにかわりないわけで。 2018.11.13 ぺんかわ日記
ねこぺん家族 11月5日:寝言でふりかえる妻・2018年編 4回に渡って妻の寝言をまとめてきたけれど何も毎日あんな面白い寝言を言っているわけではなく普段はわりと穏やかに眠っている。なんだか笑っているような寝言のことが多いのでとても良いです。寝言がヤバイ頻度のはせいぜい2日に1日ぐらいのもの。 2018.11.05 ねこぺん家族
ねこぺん家族 11月4日:寝言でふりかえる妻・2017年編 人間ひとりというのは本当に奥深く結婚してから3年経つけど「いまだに妻のことよく分かんないな…」と思うことがあり、その最たる時が彼女の、常軌を逸した寝言を耳にしたときであります。 2018.11.04 ねこぺん家族
ねこぺん家族 11月2日:寝言でふりかえる妻・2016年編 今日もリビングで可愛らしいキャンドルを製作中の妻ですが突拍子もない猫ごということにも定評があります。まとめ第2弾。 2018.11.02 ねこぺん家族