「 掌編小説 」一覧

流れ星のエステル

流れ星のエステル

私たち火星で暮らしている子どもは、みんな幼い頃に地球で親に捨てられ、連れてこられた子どもだ。

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理由があれば雨はいつでも降る

理由があれば雨はいつでも降る

彼女の足の不自由さというのは、彼女を気遣いたい人達にとっての、とても分かりやすい理由だ。そんな彼女に対して、私は羨ましさを感じる。

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海と翠

海と翠

ある日突然あの子の名字が変わった。朝、出席を取る際、担任が聞きなれない名字を口にし、あの子が返事をした。

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私はくじらの夢を見た

私はくじらの夢を見た

自分には才能があると思った。けれど美術の大学に入ると私は凡庸だった。会うひと誰もが自分よりも優れた才能を持っているように感じた。

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天使を拾いました

天使を拾いました

誰かに必要とされていなければ不安で仕方なかった。他人から欲しがられるためであればどんなことでもした。だから私は昨日の晩も見知らぬベッドで眠った。

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忘れてしまう町にて

忘れてしまう町にて

私は泣かなかったが、彼が死んでしまったのは私のせいだと思った。きっと私がここに来るより前のことをすべて忘れたせいだ。

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寒い場所からあなたは来たのだという

寒い場所からあなたは来たのだという

娘はこの砂漠を出て都会で暮らしたいと答えた。若い時間をこの砂漠の中で終えてしまうのは辛いと、消え入るような力のない声で言った。

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わたしの硝子は砕けない

わたしの硝子は砕けない

自分の家族が口も利きたくないぐらい酷い家族なら良かったのにとわたしは時々思う。

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アオとムラサキ

アオとムラサキ

それから後もたくさんの男の子が私のもとを訪れましたが、私の身体は今も変わらず動かぬままなのです。

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この森でいちばん愚かな少女の話

この森でいちばん愚かな少女の話

信じたいものを彼女は信じるのだ。本当のことではなく、本当だったら良いなということばかりをを、彼女は信じるのだ。

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ぱぴ子について

ぱぴ子について

ぱぴ子は代わりの女の子だ。他でもないあなたの代わりなのだ。居なくなってしまった、手の届かない遠くへ行ってしまった、あなたの代わりなのだ。

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ラブリー・ラブリー・チョコレイト

ラブリー・ラブリー・チョコレイト

チョコレイトの『幸せ』は他のひとを幸せにすることが出来るが彼自身を幸せにすることは決してできなかった。

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赤絨毯のホテルにて

赤絨毯のホテルにて

「あのみすぼらしい男は、たった一度の貴重な人生を掃除などすることに費やし、果たして満足なのかね」と、男は掃除夫の後姿を指差しながら嗤った。

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白い白い金属

白い白い金属

私の身体にピアスの穴が開いたり、刺青の数が増えたりしていく過程を見て、父はときどき私に、痛くないのか?とだけ尋ねた。

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ミルクティーの海

ミルクティーの海

この場所は楽園だからこの場所を出てミルクティーの海の向こう側なんか行っても、そこには悪いものしかないんだ。そう言う彼は悲しそうな表情をしていた。

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