「 辺川銀の掌編小説 」一覧

廃墟のアルバート

廃墟のアルバート

アルバートは古くなった腕や脚や内臓を定期的に交換することでずっと生き続けることができた。交換が必要なのは心臓や記憶もまた例外ではなかった。

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祈る歯車

祈る歯車

神さまの王国では、戦死した国民は楽園で生まれ変わることが出来るということになっており、それはとても名誉で幸せなことだと言われていた。

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くらげの森

くらげの森

くらげは何かの役に立つかもしれない。役に立たないかもしれない。

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ウルトラブルー

ウルトラブルー

死んでしまうのは怖いことだと思う。ぼくは死にたくない。骨になるのは怖いことだと思う。ぼくは悲しくて海の底へと向かう。

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ジムノペティ

ジムノペティ

コバルトの雪は捨てられた子どもを殺すための毒だ。この町を造った奴は恐らく、捨てた子どもが大人になり、やがて復讐されることを酷く怖れたのだろう。

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破片の男

破片の男

さっきこの場所で親に虐められた子どもが泣いてたんだ。これはその子どもが落としていった破片さ。あんたはそう言うとその破片を自分の腕にぐさりと突き刺した。

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塞がる膜

塞がる膜

私はゼンマイ仕掛けだ。ゼンマイの穴は私の背中にある。ゼンマイのネジはあなたの右腕だ。私が裸になり背中の穴を向けると、あなたはそこに右腕のネジを突っ込む。

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芽生えぬ種の家

芽生えぬ種の家

あの建物に来たひとはいずれ居なくなるんだ。だから例えば僕がいなくなっても、君は泣いたりしたらだめだよ。この建物はそういう決まりなんだ。

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ラピスラズリ 

ラピスラズリ 

今日も鍵は見つからなかったと彼女は顔を伏して笑った。ゆっくり探せば良いと私は彼女に言った。その晩彼女が眠ると、私はひとりで丘に登り彼女の鍵を埋めた。

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箱の子ども 

箱の子ども 

積み木の町は最初に作り始めてから半年ほどの時間を経て完成したがそこに住んでいるのは私だけだということに気付いた。完成した街を私は自分で崩した。

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トカゲの星

トカゲの星

先生が言うには、精神病のせいで私は人間の姿をしているから毎日しっかりトカゲになるための薬を飲みトカゲの姿になるまで退院してはいけないということだった。

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ぜんぶがぜんぶ私はそんなふうだ

ぜんぶがぜんぶ私はそんなふうだ

甘いものが食べたいような気がした、それは勘違いだったということに食べてから気付いた。

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縛られテミスのⅣ

縛られテミスのⅣ

銃を持ったおれが対峙したのは、イーッとかアーッとか甲高い声で叫ぶような怪人なんかではなく、年端もいかない、痩せた身体をした小さな子どもだった。

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砂糖の流砂

砂糖の流砂

薬を飲んで眠ると、その夜は大抵酷い夢を見るのだ。

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機械の王国

機械の王国

機械たちはみんな女王を愛していた。女王はこの王国の誰よりも弱くて情けなくて、唯一の人間でした。

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