「 掌編小説 」一覧

塞がる膜

塞がる膜

私はゼンマイ仕掛けだ。ゼンマイの穴は私の背中にある。ゼンマイのネジはあなたの右腕だ。私が裸になり背中の穴を向けると、あなたはそこに右腕のネジを突っ込む。

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芽生えぬ種の家

芽生えぬ種の家

あの建物に来たひとはいずれ居なくなるんだ。だから例えば僕がいなくなっても、君は泣いたりしたらだめだよ。この建物はそういう決まりなんだ。

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ラピスラズリ 

ラピスラズリ 

今日も鍵は見つからなかったと彼女は顔を伏して笑った。ゆっくり探せば良いと私は彼女に言った。その晩彼女が眠ると、私はひとりで丘に登り彼女の鍵を埋めた。

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箱の子ども 

箱の子ども 

積み木の町は最初に作り始めてから半年ほどの時間を経て完成したがそこに住んでいるのは私だけだということに気付いた。完成した街を私は自分で崩した。

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トカゲの星

トカゲの星

先生が言うには、精神病のせいで私は人間の姿をしているから毎日しっかりトカゲになるための薬を飲みトカゲの姿になるまで退院してはいけないということだった。

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ぜんぶがぜんぶ私はそんなふうだ

ぜんぶがぜんぶ私はそんなふうだ

甘いものが食べたいような気がした、それは勘違いだったということに食べてから気付いた。

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縛られテミスのⅣ

縛られテミスのⅣ

銃を持ったおれが対峙したのは、イーッとかアーッとか甲高い声で叫ぶような怪人なんかではなく、年端もいかない、痩せた身体をした小さな子どもだった。

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砂糖の流砂

砂糖の流砂

薬を飲んで眠ると、その夜は大抵酷い夢を見るのだ。

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機械の王国

機械の王国

機械たちはみんな女王を愛していた。女王はこの王国の誰よりも弱くて情けなくて、唯一の人間でした。

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ウラヤマバード

ウラヤマバード

学校をさぼった。ランドセルを背負って家を出たけどあいつらのいる所になんか二度と行きたくなかった。

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ウルトラスーパー猫会議

ウルトラスーパー猫会議

カツオブシの味を知ってしまったボクは、もうカツオブシがなきゃ生きていけない! カツオブシを食べれないボクはなんて不幸なんだ!

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紙の魚

紙の魚

切り抜きで出来た魚なんです。僕はね、紙の魚なんです。

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ナゴ

ナゴ

ぼくは野良の猫で、だから本当はぼくに名前なんかないのだけれど。ナゴ、という名前で呼ばれることを、ぼくは嬉しいと思うのです。

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わーるどえんど・びにーるるーむ

わーるどえんど・びにーるるーむ

わたしたちはずっとここにいるの。だけど寂しいことは、なにひとつないのよ。あなたひとりさえいれば、わたしは充分ですもの。

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ペンキと老人

ペンキと老人

その老人には、毎晩、眠る前に、しなければいけない決まりごとがあります。それは部屋の壁に、バケツ一杯分の、ペンキを、ぶちまけることです。

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