2013/1/19 掌編小説
自分の家族が口も利きたくないぐらい酷い家族なら良かったのにとわたしは時々思う。
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2013/1/10 掌編小説
それから後もたくさんの男の子が私のもとを訪れましたが、私の身体は今も変わらず動かぬままなのです。
2013/1/4 掌編小説
信じたいものを彼女は信じるのだ。本当のことではなく、本当だったら良いなということばかりをを、彼女は信じるのだ。
2012/12/7 掌編小説
ぱぴ子は代わりの女の子だ。他でもないあなたの代わりなのだ。居なくなってしまった、手の届かない遠くへ行ってしまった、あなたの代わりなのだ。
2012/12/1 掌編小説
チョコレイトの『幸せ』は他のひとを幸せにすることが出来るが彼自身を幸せにすることは決してできなかった。
2012/11/22 掌編小説
「あのみすぼらしい男は、たった一度の貴重な人生を掃除などすることに費やし、果たして満足なのかね」と、男は掃除夫の後姿を指差しながら嗤った。
2012/11/9 掌編小説
私の身体にピアスの穴が開いたり、刺青の数が増えたりしていく過程を見て、父はときどき私に、痛くないのか?とだけ尋ねた。
2012/10/20 掌編小説
この場所は楽園だからこの場所を出てミルクティーの海の向こう側なんか行っても、そこには悪いものしかないんだ。そう言う彼は悲しそうな表情をしていた。
2012/10/13 掌編小説
不感症なのにセックスをするのは、そうすればわたしのことを嫌いにならずに居てくれるし、わたしに対して優しくしてくれるからです。
2012/10/5 掌編小説
本物だって死ぬまで信じてましたね。ぜんぶ偽物なのに。幸せそうな顔で死んでいますね。
2012/10/3 掌編小説
次の煙草にウサギは火を点ける。月は好きなんです。でも帰ったら嫌いになってしまうような気がするんですよそういうことってたまにありませんか?
2012/8/26 掌編小説
好きじゃない男のひととセックスしている時間というのは考え事をするのに結構向いている。
2012/8/15 掌編小説
わたしたちまだ中学生で、だからたぶんこの中で私だけがそのことを知ってる。放課後になるとわたしは部活動をさぼって男の家に出かける。
2012/8/12 掌編小説
あなたの笑顔を目にしたわたしは条件反射で幸福感を感じた。あなたの幸せがわたしの幸せだと、恋人同士だった頃に刷り込まれたからだ。
2012/8/3 掌編小説
誰よりも速く飛べる飛行機を求めていたゴンゾは一目でアバンテに恋した。それから十二年の月日が経ち、今のアバンテは一昔前の終わった名機に過ぎない。