特別編5.変化の速さについていかなければ


 夏。姙娠が分かってから約一週間。この時点で妻は明らかに体調が良くなかった。妊娠すれば具合が悪くなることはもちろん知識として知っていたのだけど、こんなにはやく変化が現れるものなのかと驚く。
 
 どんな症状が出るのか。心配すべき症状と気にし過ぎるべきではない症状の違い。口にして良いものといけないものの区別。この時点ではまだ周囲のひとにも姙娠したことを伝えていないこともあり自分たちで調べて判断していく。

「生まれたらあんなことをしよう」「こんなことをしよう」と楽しく話しもするけど、妻からするとそれ以上に「無事に生んであげられるだろうか」というところを強く心配していた。加えて仕事や制作も本調子とはいかず、身体や心が思うように動かないことへのもどかしさも感じている様子だった。

 週末にはイベントに出展してキャンドルを売った。座っているだけでも辛そうな状態で本人もこの日のことを「ほとんど覚えていない」と振り返る。それでもお客さんがくれば一見普段と変わらない様子で対応していたのだけれど。

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