特別編22.自分たちにとってだけ価値のあるものを増やしていく

秋の終わり。引っ越しの準備を着々と進めていく。失くしたと思っていたものや忘れていたものたちがたくさん見つかった。つきあいはじめの頃に妻がくれた手紙や、ふたりでファミレスに行った時に紙ナプキンの端に描いた落書きなんかも引き出しの奥から出てきた。また次の引っ越しまで目にすることはないのかもしれないけどもちろん捨てずに新居へ持っていく。僕らにとってしか価値のないものだがきっといつまでも手放せないのはこういうものなんだろう。想定していたよりも荷物は多くなった。
 
赤ちゃんは元気に動き回っている。お腹の中では指をしゃぶっていて、これは生まれたあと母乳を吸うための練習なのだという。小さい子供が指しゃぶりをするのもこの練習のなごりなのだとか。羊水を飲みながら呼吸の訓練もしていて、たまに失敗してしゃっくりするのだけど、このしゃっくりも胎動として分かる。しゃっくりの時は手足の動きとは違って一定のリズムで胎動がくるので区別がつく。手足を動かし続けることで筋肉もつけていく。多くの動作は最初からできるわけではなく練習の上で身につけていくのだと分かる。

妻も赤ちゃんも一生懸命だ。

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