これ混同されがちなところなんだけど「好き・嫌い」の物差しと「良い・悪い」の物差しって原則として別けるべきなんだ。そんでもって誰かに恋をする時の物差しは基本的に「好き・嫌い」の方を使うものだと思う。
なので「こんなに良い人を好きになれない自分は間違えているのだろうか」なんて気にする必要はない。容姿を理由に好きになったり嫌いになったりするのは別にぜんぜん悪いことではない。
パートナーを選ぶ上で何に重きを置くのか。これも人それぞれで違って当たり前。価値観が合うことを重視する人もいる。逆に新しい発見を与えてくれる相手が良いという人もいる。いかに格好良い車を持っているかで好意の大きさが決まる人もいる。応援しているプロ野球チームが違うからという理由で別れるカップルも居だっている。もちろん容姿で測るひとも多い。みんな各々の物差しでひとの好き嫌いを図る。そして個人個人の物差しの間に優劣はまったくない。だって好きなんだもの。自分が好きになったものだもの。
一方で「自分がどんなものを本当に好きになるのか」というのは、遠くで見ているだけではなく、実際に触って確かめてみなければなかなか分からない。「私は金持ちが好き!金持ちしか好きにならない!」と言っていた人が、何かの拍子で売れない芸人みたいなのと付き合ってみたら「あ、やっぱりこっちのが好き」となることもあるし、「あーやっぱり金ないとアカンは」と分かる場合もある。いずれにしても関わってみなきゃどっちか分かんない。食わず嫌いのまま好き嫌いの判断をしちゃうのは結構もったいない。
だから今回あなたが「気が合うけれど好みの容姿ではない人」と交際していることについて。これから先も付き合い続けるにしても、続けないとしても、自分の好みの傾向をひとつ掘り下げられたという点では少なくない収穫があったんじゃないかと思う。
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