ゼロ歳記09.ゼロ歳児と手

 5月末。娘は自分の手を見つめて過ごすことが多くなった。同時に、それまで常に顔に作っていた細かい引っかき傷が急に少なくなった。どうやら手の扱い方が分かってきたらしい。「手は自分の身体の一部分であること」と「自分の思い通りに動かせること」を理解した様子。本人にとっては大発見だろう。手を見ている時はだいたい笑顔だった。

 笑顔といえば、この時期にとっての「笑う」と「泣く」はかなり近いところにあるような印象を受けた。「感情の高ぶり」がまず最初に会って、そこから「笑う」か「泣く」に分岐しているような。高ぶっていればよく笑いよく泣く。
 
 何か声を出したときに返事をしてあげると、それに対してさらに声を発してくれるようにもなった。舌は使わず喉と唇だけでだしているような声で、もちろん言葉というにはまだまだなのだけれど、きっとこの繰り返しがそのうち会話になっていくんだろう。
 
 それにしても娘が生まれて以来、写真を撮る頻度がそれまでと比較にならないほど多くなった。なんなら「娘の写真を良いカメラで撮りたい」という理由だけでスマホを買い替えた。うちに限らず二十一世紀の子どもたちはそれ以前と比較して大人になった時に残っている写真の量がすごく多いのだろう。素敵なことだと思う。

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