地に足がつかなすぎて空を歩いた男【愉快な仲間たち03】

何度か書いているように僕が通っていた高校は少し変わっていて、男も女もそれ以外も、ヤンキーも元引きこもりも、オタクもバンドマンも、外国人も、障害者も、宗教家も、女優も、本当に色々なひとたちがいたんだけど、そんな中でも一際浮世離れしていたのが浅野拓也という男でした。

授業の途中で突然居なくなるし、カラオケボックスで突然ニーチェの話をし始めるし、作っている作品は一般受けからかけ離れたものばかり。それでも創作に注ぐエネルギーには凄まじいものがあって、その姿を見ながら僕も「こいつに負けないよう頑張ろう」と文章を書き続けたものです。

一方、進路とか生活とかお金を稼ぐとか、現実社会を生きる上で必要とされる物事についてはほとんど関心がないかのよう。出会ってから15年ほどが経った今でもそれは変わらないように見えます。

10代の頃の彼を見て「地に足がついていない」と評したひとは多かったと思う。そして今の彼を見て「地に足がついていない」というひとは恐らくもっと多い。けれど15年も以上地に足をつけず生きてこれる人間が果たしてどれだけいることでしょうか。宙を歩く男。素敵じゃないですか。

そんな浅野ですが最近はこういう作品を作っているよう。表面に凹凸ができるほど絵具をたっぷり乗せていて立体感が凄い。なんでも仲間内では画家ではなく彫刻家とみなされつつあるとのこと。

先日個展もやっていたので見に行ってきました。残念ながら本人は在廊していない時間で会えなかったのだけれど、その分ゆっくり作品を見られたのでヨシです。作品はSNSで見た時の印象よりも「物質!」という感じで、さながら立体地図のよう。あと結構デカイ。デカイ作品で細部が魅力的。

意図された見方とは違うのかもしれないけど「僕はこの物体から何を連想できるかな」という意識で、ひとつひとつの作品を色んな角度から眺めていたら30分ぐらいすぐに過ぎていました。本人曰く「SNSを意識して描いた作品群」とのことだけど個人的には実物眺めた方が面白い作品だなと思う。

……書きながら思ったけど個展の開催期間中に書くべき内容でしたねコレ。たぶん今後も個展はやると思うので気になった方はぜひ見に行ってみてくださいな。

 

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