6月26日:帰路の5分と無策プロポーズ


辺川家は共働きで僕は基本的に家で仕事をしているから妻が職場から帰ってくる時には駅まで迎えに行く。自宅から駅までは徒歩で5分ほどの距離しかないのだけどそれでも迎えに行く。迎えに行った帰り道ではその日職場であった出来事や野球の試合結果なんかついて話すことが多い。復路ももちろん徒歩5分ほどしかないのだけどこの約5分ほどがけっこう僕らが大切にしている時間だったりする。
 
今日の妻は同じフロアで働くお兄さんがプロポーズに成功した話をずっと聞いていたのだそう。なんでもなかなか入念に準備した上でのプロポーズっだったのだとか。僕らのプロポーズといえばもう4年も前で、フラッと立ち寄った商業施設のアクセサリー屋さんで半ば衝動買いのように婚約指輪を購入し、その後入った水族館のペンギン水槽の前で結婚してと言ったのだ。既に2年近く同棲していたし結婚することは既定路線だったけれど、それにしたって準備もへったくれもなく行き当たりばったりというか流れと勢いで告げたようなプロポーズになった。その日はちょうどペンギン水槽でプロジェクションマッピングのイベントをやっておりオーロラのようですごく綺麗だった。

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