猫のパンチはマジで半端ない

中学生の頃は陸上部だった。
なのでその頃から毎日夜中にランニングをしている。十年以上走ることを続けていたら自分の骨や筋肉がどういう仕組をしていて、それをどう使えばいちばん速く走れるのかということも頭では徐々に理解できてきた。ただし頭で理解したからといって身体がその通りに動くかというとそういうわけでもない。そこが難しい。普段と同じような力の入れ具合で走ろうとしてもその日その日の体調によっても微妙に違ってくる。微妙な違いに気づかないまま走り続けると変な癖がついてしまってフォームがおかしくなる。正しいフォームで走るためには身体の仕組みや状態を常に確かめながら反復練習を続けて、頭ではなく身体の方に覚えさすしかない。効率的な身体の動かし方は身に付けることも保つこともなかなか容易じゃない

職場に猫がいる(記事の写真は別の猫なのだけど)。
目の前に玩具をぶら下げたりするとサッと手を伸ばして捕まえようとしてくる。いわゆる猫パンチというやつなのだけど、それをする時、動作の速さと正確さが凄い。使う筋肉を合理的に使って無駄のない動きで獲物を捕まえる。
彼は仔猫の頃に拾われた猫なので親と過ごした時間というのはまったくないか、極めて少ないだろうと思われるのだけれど、誰にきちんと教わったわけでもないのに、あんなふうに無駄がなく合理的な身体の動かし方を、いったいどこで体得したんだろう。
僕らは動作のひとつを身につけるだけでもずいぶん苦労するのに。

猫釣り
翌日、はじめて彼の方から私に声を掛けてくれた。舐めて。とだけ言われた。

いきものというのは凄い。

タイトルとURLをコピーしました