ゼロ歳記12.僕らも育てられている

 生後二ヶ月半ほどが過ぎると娘は顔立ちも身体つきも生まれた時と比べてだいぶしっかりしてきた。第一印象だと「パパ似」と言われることが多いけれど、口元とか眉、それから手足の長さなんかは妻の遺伝だろう。

 それにしても赤ちゃんが物事を学んでいく過程はじっと見てるとすごく面白い。僕ら大人が当たり前にやっている「物を掴む」という動作ひとつをとっても、「1.興味のあるものに」「2.手を伸ばし」「3.指を開いて」「4.指を閉じて掴む」と、段階的な学びの中で身につけていると分かる。
 
 娘が新しいことを学んだり出来るようになったりして変化していくたびに、親の僕らも追いかけるように新しい接し方を身に着けなければいけない。「寝かしつけのコツが分かった!」とか「ご機嫌のとり方をマスターした!」と思ったって、次の週にはそのやり方が通用しなくなったり、他のやり方を探さなければいけないこともある。この変化の追いかけっこは、きっと子どもが成長し続けるかぎりずっと続くのだろう。ある意味で僕らも育てられている。

 天気が良い日は娘をベビーカーに乗せて三人で散歩することが日課になる。娘を外気に当てることが主な目的だけど、この習慣は僕にとっても妻にとっても一日の中での良いアクセントになった。娘は家の外でもわりと機嫌よくしてくれている。おかげで三人でカフェに行くこともできるようになった。

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