「恋人」とか「友だち」のように、名前のある関係性を成立させる上で、必要なのは「関係性の名前」「関係性の定義」「役割分担」そして「お互いの納得」の4つであると思う。
例えばAさんとBさんがいて「俺たちバッテリーになろうぜ!」と言ったとする。この場合「バッテリー」というのが「関係性の名前」である。
バッテリーになることを決めたAさんとBさん。ここでふたりは確認する。「バッテリーとは一体なんだろう?」これが「関係性の定義」。
この時「バッテリーというのはピッチャーとキャッチャーが1人ずつ居る組み合わせだよね」という認識をお互いにしていればもちろん問題ない。
だけど仮にどちらか一方が「バッテリーってピッチャーとバッターのことでしょ?」とか「ピッチャー2人とキャッチャー1人の組み合わせでバッテリーだよね?」という認識だった場合、「関係性の定義」が双方違っているので、ふたりのバッテリーは成立することがない。
逆にいえばお互いの「関係性の定義」さえ一致していれば良いので、二人が二人とも「バッテリーっていうのはキャッチャーとキャッチャーがお互いに座って見つめ合う関係だよね」という認識をしているのであれば、関係は成立する。それはもうそういうバッテリーである。
「役割分担」と「お互いの納得」については文字通り。「バッテリーにはピッチャーとキャッチャーが要るけどどっちがどっちをやる?」という分担。「名前から定義、役割まで確認したけれど、そういうことで良いかい?」という確認。かくしてふたりはバッテリーになるわけである。
「恋人」とか「友だち」とかも「バッテリー」の場合と同じで、「関係性の定義」がお互いに一致していないとなかなかうまくいかない。
「恋人同士っていうのは男と女がひとりずつのセットで浮気しない関係だよね」「恋人同士っていうのは好き合った人同士が性別関係なく一緒にいる関係だよね」「友だちっていうのはFacebookでイイネし合う関係だよね」この辺の定義が当事者同士で噛み合っていれば成立する、噛み合わなければ成立しない。
「恋人は男女同士」「バッテリーはピッチャーとキャッチャー」みたいな一般論とか風潮とかは確かにあり、そこを基準に考えるひとが多いので、そこから離れるほど食い違いは起こりやすいというのはあるんだけど、究極的には性別とかはあんまり関係なく、「関係性の名前と定義」の違いによって上手くいったり行かなかったりということになるんじゃないだろうか。
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