嫌いなひとというのを出来るだけ作りたくないと思ってるんですよ。
僕は自分のことを小説に書くのがあまり得意じゃないので、
だいたい他者を題材にして書いているんですけど、
自分にとってひとを嫌うというのは、
相手に対する理解を放棄することに等しいって考えているから、
そうなると小説に書ける対象がひとつ減ってしまう。
なのでひとを嫌うというのを出来ればしたくない。
先日書いた“スプリンターマツモト”という話は、
僕がちょっぴり苦手と感じていたひとのことを思って書きました。
(ちなみにマツモトくんという名前ではないです。念のため)
ああでもない、こうでもないっていうのを何度か繰り返して、
苦手なひとのことを凄く考えながら書いていたんですけど、
試行錯誤のすえに「アッこれだ」というものが書き上がると、
何だかけっこう気持ちが良いもんで、
そのひとのことも書く前と比べて、
それほど苦手に感じなくなっていたりなどして、
うん、
ものを書くようになってから食わず嫌いが減った気がします。
スプリンターマツモト
僕なんかと一緒に居ることで楽しそうな顔をしてくれるひとがいるのだ。その事実が僕には、何より嬉しかった。