だいぶ日が伸びてきた。
妻は産休に入りテレビを見たりノンカフェインのお茶を飲んだりしながら過ごしている。気が向いた時にはキャンドルを作り始める。出来上がったものを見て「思っていたより小さい」と驚く。その手のサイズで生まれてくるんだね。妻のお腹を眺めているともう動いているのが服の上からでも視覚的にわかる。僕の仕事の合間を縫ってふたりでお茶をする。この時期は結婚して以来いちばんのんびりとした時期だったかもしれない。
ベビー用品メーカーがやっている赤ちゃんのお世話体験教室を一緒に受けてきた。赤ちゃんの抱き方から始まっておむつの変え方や沐浴のやり方なんかを実際の赤ちゃんと同じ大きさ・重さの人形で練習させてもらえた。
父親向けの妊婦体験として、お腹に赤ちゃんと同じ重りを装着するというのがあり、これもやらせてもらった。
大きなお腹で足元が見えないし、屈むこともできない。せっかく家で仕事をしているので妻の体の変化にはできるかぎり寄り添おうと日頃から意識してはいたのだけど、体験が伴うとやっぱり感じ方が変わってくる。「あの時つらい、大変だといっていたのはこういう感じなのか」と。