ゼロ歳記28:もう少し先のことだろうけれど

 十月初旬。娘が「アーア、アーア」と喃語らしきものを喋るようになる。妻の耳には「マーマ」と聞こえていて僕の耳には「パーパ」と聞こえていた。本格的に意味あることを喋り始めるのはまだもう少し先のことだろうけれど。 

 短時間ならお座りもできるようになった。「なんでこんな姿勢させられてるの?」と不思議そうな表情も見せつつ、まんざらでもなさそうな様子。これまではうつ伏せか仰向けしかできなかったけど、座ることができれば視線が一段階高くなるわけだから、見晴らしも良くなって嬉しいのだと思う。
 
 仕事の打ち合わせがありまたひとりで東京に出かけた。打ち合わせそのものは午前中に終わったのでお気に入りのラーメン屋(九月に行って閉店していたところとは別)で昼食をとった。美味しかったのだけれどこれまでは妻とふたりで来ることが多かったのでひとりで行くのもすこし変な感じがした。またふたりで行けるのはいつになるだろうか。
  
 娘が大きくなったら三人で行くことを楽しみにしている場所というのが幾つかある。さらに娘が大きくなったら妻とふたりで行くことが楽しみな場所というのもじつは結構ある。ずっとずっと先のことだろうけれど。

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