2018.07.02 トップページ改それはあなたのものだから 地元のやつがする話はその場にいない人間の噂話ばかりだ。誰と誰が結婚したとか。誰々が家を建てたとか病気になったとか。借金を作ったとか。そういう話題をいくつも聞かされた。そういう話題のうちのひとつとして彼女が死んだことをおれは知らされた。(クリックで全文を読む)2024年6月30日トップページ改まるで宇宙の果てのよう 同棲を始めて四年が経つけど、わたしたちのコミュニケーションはあまり噛み合いがよくない。『ただいま』を言っても返事は返ってこないし、それまでの会話と関係ないことをとつぜん喋りだす。(クリックで全文を読む)2024年6月4日トップページ改顔のない世界で あたしには、ひとの顔が見えない。その他のものは正しく見えるのに、まるで映り込んだ一般人の顔にぼかしをいれるテレビ番組みたいに、ひとの顔だけが見えない。(クリックで全文を読む)2024年5月22日トップページ改あなたに麻薬をおしえてあげる かつてのぼくの生活はたとえるならば沼の底だった。毎日まじめに仕事をしていたのにある日とつぜん身体が上手くうごかなくなり働けなくなった。(クリックで全文を読む)2024年4月25日トップページ改金魚の帰り道 神さまに愛されたひとは死んだあと神さまのもとに行くことができます。それは神さまが人間によって作り出されたからです。ところがわたしたち金魚は神さまではなく人間たちが品種改良によって作った魚です。ですから飼い主の人間に愛された金魚は死んでから何年か経つとオバケになりその人間のもとに行くことができるのです。(クリックで全文を読む)2024年4月19日トップページ改金魚鉢の外へ 数年あるいは数ヶ月ほどで終わりを迎える愛と、最期のときまで添い遂げるような愛と、普通の愛は果たしてどちらだろう、両者の数をくらべたときにたくさんあるのは果たしてどちらだろう。(クリックで全文を読む)2024年4月18日トップページ改おそまつさまのわたし さきほど街で出会ったばかりの名前も知らない若い男の子はベッドの上で裸になったわたしの身体をおそるおそる触った。きっと実際におそれているのだろう。(クリックで全文を読む)2024年1月10日トップページ改昨日のおれを描く おれは面白い映画を観れば面白かったと言ったし酷い映画を見たら酷かった言った。だが従兄はすこし違った。どんなに酷い映画であっても従兄はその作品の良かったところについて話をした。(クリックで全文を読む)2022年6月12日トップページ改たのしいお料理教室カレー編 わたしは愚かだろうか。幸せな恋を知っているひとの目にはきっと愚かに映ることだろう。(クリックで全文を読む)2022年5月20日トップページ改雨留める 「この子がこんなに泣きやまないのはわたしがちゃんと愛せてないからかな?」(クリックで全文を読む)2022年1月25日 それはあなたのものだから まるで宇宙の果てのよう 顔のない世界で あなたに麻薬をおしえてあげる 金魚の帰り道 金魚鉢の外へ おそまつさまのわたし 9/4~9/10:疾くはしれるからだがほしい 8/28~9/3:疲れちゃったらたくさん食べてたくさん笑って 8/21~8/27:ひこうき大好き