随分むかしに「愛とはなにか」と訊かれた

嫁さんとは結婚するまで二年ぐらい一緒に住んでたので、
結婚したからといって何かが劇的に変わったとかは少ない。

でもそのぶん変化した箇所は些細であっても目につく。
例えば嫁さんに届く郵便物の宛名が僕の苗字だった時とか。

とはいえ一緒に暮らし始めた二年前のことを振り返ると、
当時から比べて本当にたくさんのことが変わったなと思う。
肩書きも生活リズムも住んでいた場所も今とは違っていた。
僕はまだ夜眠るためのくすりが必要だった。
嫁さんは東京に出てきたばかりだったので、
すぐに会える友達というのがほとんど居なかった。

だけどこの二年間でいちばん大きく変わったことといえば、
お互いの生活がお互いの日常に馴染んだことだろうか。

最初の頃は新品の靴みたいに、
真新しさはある一方、
変なところが擦れて痛くなるみたいなことが、
しょっちゅうあったのだけど。

以前だったら神経質に気にしてしまったようなことでも、
今はそんなに気にせず許容できるようになってきただとか、
逆にお互い直せるところは少しず変わってきたりだとか。

お互い形の違ったものがひとつの箱にはいって、
時間をかけるうちにお互いの居心地良い形に落ち着いてきている。

そういえば5年ぐらい前
がっつりと不眠症で本当にぜんぜん眠れなかった時期。
「愛ってなんだと思う?」
というふうに誰かから訊かれて、
正しく眠れること。
と答えた記憶がある。
今は薬を飲まなくても眠れる。

砂糖の流砂
薬を飲んで眠ると、その夜は大抵酷い夢を見るのだ。

自分で書いていてアレだけど今日のかなりこっ恥ずかしいな。
やばいな。

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