結婚式をやった

2/27に結婚式をやった。
40人ほどしか入らない小さな会場に親族だけを呼んで。
1週間前までは雨の予報もあったのだけど当日を迎えてみたら雲のひとつもなかった。

僕の入場シーンで扉が開いた瞬間の歓声。
目を真っ赤にしていた自分の両親や弟たち。
彼らがあんなに泣いているのを目にしたのは4年前に僕が自殺未遂をして入院した時以来だったと思う。
そして普段は寡黙な義父の号泣する姿。
組んだ腕から伝わってきた嫁さんの小さい震え。
チャペルの祭壇から見えた風景はきっと何十年経っても思い出す気がする。

二次会には当初考えていたよりもずいぶんたくさんのひとが来てくれたので、着席出来るようにするはずが立食パーティになった。まず絶対に泣かないだろうなというひとまで泣いていたし自分があんあふうに祝ってもらえるなんて思っていなかった。嫁さんの友人たちはそれぞれ仕事やら国家試験やら何やらあるにもかかわらずかなり大規模な余興を準備してきてくれた。嫁さんもこれまでそれなりに色々あったひとだけれど、それでも周囲のひとたちに愛されてここまで来たんだなというのをすごく強く感じた。

恋は落ちるもの。愛は誓うもの。
人間っていうのは普通にしていると気が変わったり価値観が変わったりすることが結構簡単にある。そういう生き物なので未来のことなんて基本的には全然わからないんだけど、自然な状態では不確定な未来を、自分たちの意思で以って、今この瞬間にしっかり決めるというのが、所謂「愛を誓う」ということなんだろうなと僕は思っている。
僕らが挙げた結婚式は人前式といって、神様とかではなく、集まってくれたひとたちに対して誓いをする、というスタイルのものだったんだけれど、それはつまり、式も二次会に来てくれたひと、来れなかったひとたちも含めて、僕や嫁さんをこれまで大切にしてくれた沢山のひとたちの気持ちも全部背負ったうえで、未来を確かに約束する、ってことだ。
これはけっこうすごいことじゃあないか。
でも、すごいことなのに、少しも迷っていなくて、今は当たり前のように選びとったという感じがある。
それがとても嬉しい。

二次会を終えたあとは、三次会、四次会と経て、帰宅したのが翌朝。
これまで生きてきた中でいちばん幸せな一日だったと思う。
夢を見ているような日だった。

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