七月末。娘は寝返りができるようになった。いちどできるようになると何度も繰り返す。最初の一回を成功させてからはコツを掴んだのか、半日後には隙あらばごろんごろんと転がっていってしまうほどになった。
娘にとっては人生で初めての移動手段。「もうひとりでどこにでもいけますよ」といわんばかりの得意げな表情を浮かべていた。
寝返りをうつようになり着替えやおむつ替えの難易度も急に上昇する。テープタイプのオムツとか前開きのベビー服はあくまで「赤ちゃんが仰向けのままおとなしくしていてくれること」を前提にデザインされているのだなぁとこのとき思い知る。パンツタイプのオムツ、被りタイプの洋服、着せるの難しいなぁと思ってしまうのだけれど、娘は日に日に変化しているので、親の僕らも置いていかれることなくやっていかなきゃいけない。
寝返りを覚えてからの娘は、仰向けより、うつ伏せになって頭を持ち上げていることが多くなった。こちらの方が周囲がよく見えるのできっと楽しいのだろう。