ゼロ歳記25.オフロスキー

 九月中旬。残暑も徐々に和らいできて外出するのも楽になってきた。娘と世の中との接点もだんだん増えていく。散歩中の犬に吠えられてもニコニコして興味深く見つめていた。カフェではベビーカーを押しながらお会計をしたらアイスコーヒーだけの注文だったので店員さんが席まで運んでくれたので優しさを感じた。

 娘をお風呂に入れるのは基本的に僕の役目。入浴中の娘がおとなしくしていることはまずない。身体を洗う時の泡は特に気になる存在らしくついつい舐めたがる。隙あらばお風呂のお湯を飲もうとするのはミルクの温度に近いからだろうか。またある時には「水面を叩くと水しぶきが飛ぶ」ということに気づいた。湯上がりまでずっと嬉しそうにバシャバシャやっていた。
 
 お風呂といえば三時間ほど自分の時間をもらい隣駅にある温泉にひとりで行ってきた。純粋に私利私欲を満たすための外出は娘が生まれて以来。サウナに蒸されてお湯にもゆっくり浸かってだいぶ身体が楽になった気がする。ありがたい。

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