ゼロ歳記33.彼女の名前は妻でも母でもなく

 十一月初旬。妻はデザインフェスタにキャンドルを出展した。出産後はじめての出展になった。これまでの出展では毎回僕が同行して手伝っていたのだけど、今回僕は娘と一緒に留守番。コロナ禍もあり従来とは違う部分の多い出展にはなった妻だけれど、帰宅後は「やっぱり対面販売は楽しいな」と、満足げな雰囲気で話していた。
 
 妻は僕と結婚して妻になり、娘を生んで母になったのだけど、妻であったり母であったりというだけが彼女のすべてではない。だから今回、家から離れたところでやりたいことをやれる時間を持てたのは良かったなと思う。

 離乳食は妻がものすごく研究しながらやってくれたお陰もあり順調な推移。この時期興味深かったのはお米に対する反応。はじめは妻の実家からいただいたコシヒカリで作ったお粥を与えていて、それは毎回残さず食べていたのだけど、次にナナツボシをあげるようになった際は一転して嫌がるようになり、その後コシヒカリに戻したらまた食べるようになった。お米の銘柄でびっくりするほど好き嫌いを示した。大人が思う以上に味の違いに敏感なのかもしれない。

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