辺川 銀

掌編小説

あの日に望んだ美しさじゃなくても

虫人というのは虫の血が混じった人間のことだ。彼らは普段、普通のひととまったく同じ見た目をしているけど、満月の夜に青い花の匂いを嗅ぐと羽根や触覚が生え、巨大な虫の姿に変身するという。
ねこぺん家族

11月13日:不思議の国のねこぺん

人間関係には「共通点で繋がるタイプ」と「相違点で繋がるタイプ」の2種類があって、双方にそれぞれやりやすい面とやりにくい面があるのだけど、自分と妻は完全に相違点で繋がったタイプなのだと思う。
ぺんかわ日記

フグを食べてみたくて

変な喩えだけどフグみたいなヒトがいっぱいいるわけですよ。僕はフグの毒を抜いて料理するとかできないんだけれど、だからといってフグが高級で美味しい魚だってことにかわりないわけで。
掌編小説

Don’t Look Back In Anger

母はきっと私に、いつまでも小さく弱く何も出来ないまま、何も自分で決められないままで居てほしかったのだ。
ねこぺん家族

11月5日:寝言でふりかえる妻・2018年編

4回に渡って妻の寝言をまとめてきたけれど何も毎日あんな面白い寝言を言っているわけではなく普段はわりと穏やかに眠っている。なんだか笑っているような寝言のことが多いのでとても良いです。寝言がヤバイ頻度のはせいぜい2日に1日ぐらいのもの。
ねこぺん家族

11月4日:寝言でふりかえる妻・2017年編

人間ひとりというのは本当に奥深く結婚してから3年経つけど「いまだに妻のことよく分かんないな…」と思うことがあり、その最たる時が彼女の、常軌を逸した寝言を耳にしたときであります。
ねこぺん家族

11月2日:寝言でふりかえる妻・2016年編

今日もリビングで可愛らしいキャンドルを製作中の妻ですが突拍子もない猫ごということにも定評があります。まとめ第2弾。
ねこぺん家族

10月31日:寝言でふりかえる妻・2015年編

立てばビューティー座ればクール、カリスマ店員でありながらキャンドルアーティストの顔も持ちと隙のない妻ですが寝言が面白いことに定評が。
ぺんかわ日記

【あなたのショートショート】新しいこと、始めて半月が経過

「あなたのお話を聞いて辺川が掌編小説を書きますよ」という試みを始めてから半月。
掌編小説

骨と貝殻、マドレーヌ

彼に手を握られていたから、手首に巻いた腕時計の文字盤を見ることができず、ああ、ひとと手を繋ぐというのは、非常に不便なのだなと思いました。
掌編小説

父のようにはなれない

子どもの頃からどこに行っても『あの人の娘だからきっと美人になるね』って必ず言われたのよ。そりゃ最初のうちは素直に、自分は将来美人になれるんだ楽しみだなって受け取っていたけど、十代にもなるとだんだん現実見えてきちゃうからさぁ。
掌編小説

あの場所まであと半日

ねえそろそろ結婚するんでしょう? とわたしたちをよく知る友人たちにからかわれることもだんだん増えてきて、そういうことはもちろん、わたしの頭の中にも、おそらく彼の頭の中にもあった。
天国を探して

天国を探して-最終話

コンビニの夜勤は午前六時に終わる。家に帰り着くとシャワーを浴びて煙草を一本吸う。あとは何もせずに昼過ぎまで眠る。アサクラは日々をそうやって過ごした。
ねこぺん家族

10月17日:次回のお散歩予定

10/15が結婚記念日だったので今日は妻とふたりで出掛けて少し良いお店でお昼ご飯を食べた。
天国を探して

天国を探して-第7話

親戚の大人たちはことあるごとに兄と比較し「お兄ちゃんとは違って素直ね」とぼくのことを褒めた。だけどそうやって褒められるたびにぼくは悔しく思った。