掌編小説 ひとり残らず僕らは病人だ 弟の背中には羽根が生えている。白鳥のように白くて綺麗な羽根だ。一方で彼の骨は普通の人間に比べて非常に脆くて弱く長時間立っていたり長い距離を歩いたりすることが出来ない。 2016.12.12 掌編小説
未分類 この寝言が凄い。その4[タッパー捕まえちゃう] 寝言の面白さに定評のある嫁さんなのですが寝相の方も常軌を逸しており先日は寝ている最中に被っていた布団を引っ掴んでベッドの外にぶん投げた後に自ら寒がるということをやってのけました。寝言集その4です。 2016.12.05 未分類
未分類 ヒトは死にやすいので 慢性的にストレスを溜め込んでいると、昨日までは「死にたい」なんて考えたこともなかったようなヒトでも、その場の勢いとか、その日の思いつきで、フラっと自殺に走っちゃうということがある。 2016.10.26 未分類
掌編小説 わたしは代替品 あのひとは彼女に深く心酔していた。もはや信仰といってもいいぐらいに。だから彼女が去っていったあと、あのひとはまるで偶像を彫る僧のように数十年もの歳月を費やし、彼女とまったく同じ姿形の、生きた人形を作り出した。 2016.07.28 掌編小説
掌編小説 くらげは今日もつめたいところで眠る あの時から、自分が誰かを好きになることはとても悪いことで、いつか誰かに好意を受け入れてもらえる時が来るまで、許されることはないんだろうなと思ってしまっている。 2016.05.15 掌編小説
掌編小説 橋の途中にて この橋の向こう側に行ってはいけないと大人たちから強く言われていた。だから私は橋より手前のことなら何でも知っていたが、向こう側のことは何も知らなかった。 2016.05.08 掌編小説
未分類 表現の自由とか作家の傲慢とか世界への敬意 仕事の中でアーティスト寄りのひとを取材する機会が結構あるのだけど、その中で「創作における表現の自由はどこまで許されるのか」みたいな話題が出ることは結構多いので、自分の考えを整理するという意味でもここに書こうと思う。 2016.04.25 未分類