掌編小説

それはあなたのものだから

地元のやつがする話はその場にいない人間の噂話ばかりだ。誰と誰が結婚したとか。誰々が家を建てたとか病気になったとか。借金を作ったとか。そういう話題をいくつも聞かされた。そういう話題のうちのひとつとして彼女が死んだことをおれは知らされた。
掌編小説

まるで宇宙の果てのよう

同棲を始めて四年が経つけど、わたしたちのコミュニケーションはあまり噛み合いがよくない。『ただいま』を言っても返事は返ってこないし、それまでの会話と関係ないことをとつぜん喋りだす。
掌編小説

顔のない世界で

あたしには、ひとの顔が見えない。その他のものは正しく見えるのに、まるで映り込んだ一般人の顔にぼかしをいれるテレビ番組みたいに、ひとの顔だけが見えない。
掌編小説

あなたに麻薬をおしえてあげる

かつてのぼくの生活はたとえるならば沼の底だった。毎日まじめに仕事をしていたのにある日とつぜん身体が上手くうごかなくなり働けなくなった。
掌編小説

金魚の帰り道

神さまに愛されたひとは死んだあと神さまのもとに行くことができます。それは神さまが人間によって作り出されたからです。ところがわたしたち金魚は神さまではなく人間たちが品種改良によって作った魚です。ですから飼い主の人間に愛された金魚は死んでから何年か経つとオバケになりその人間のもとに行くことができるのです。
掌編小説

金魚鉢の外へ

数年あるいは数ヶ月ほどで終わりを迎える愛と、最期のときまで添い遂げるような愛と、普通の愛は果たしてどちらだろう、両者の数をくらべたときにたくさんあるのは果たしてどちらだろう。
掌編小説

おそまつさまのわたし

さきほど街で出会ったばかりの名前も知らない若い男の子はベッドの上で裸になったわたしの身体をおそるおそる触った。きっと実際におそれているのだろう。
ねこぺん家族

9/4~9/10:疾くはしれるからだがほしい

2023年9月第2週。保育園の運動会って何をやるんだろう
ねこぺん家族

8/28~9/3:疲れちゃったらたくさん食べてたくさん笑って

2023年8月第5週~9月第1週。息子は歌をよくうたう。「ピカチュウとポケモンおんがくたい」という短編映画でポケモンたちがうたいながら行進していくシーンが特にすきらしい。
ねこぺん家族

8/21~8/27:ひこうき大好き

2023年8月第4週。息子は「ひこうき」とか「でんしゃ」とか好きなものをかなりはっきりと口にする。
ねこぺん家族

8/14~8/20:赤ちゃんが気になる

2023年8月第3週。家にいるときの娘は保育園でやったことをぬいぐるみ相手に再現して遊んでいる。
ねこぺん家族

8/7~8/13:野球大成功

2023年8月第2週。息子は知らない大人にもとつぜん手を振ったりする。
ねこぺん家族

7/31~8/6:花火とぽんちゃらりん

2023年8月第1週。週末には妻の実家に帰省して花火大会にいった。
ねこぺん家族

7/24~7/30:人気爺さんアンケートを取りたい

2023年7月第5週。窓から飛行機を探したりして過ごした。
ねこぺん家族

7/17~7/23:ハッピーバースデーママ

2023年7月第4週。妻の誕生日を祝うのはこれが10度目