辺川 銀

ねこぺん家族

特別編14.これからずっと止まない音のこと

身体は日に日に変化していくものの赤ちゃんの様子自体は妊婦健診に行った時でないと確認することができない。
掌編小説

自由を鳴らす石

ここ半年ほどはずっと不満だった。白い塗り絵を目の前にして自分の好きな色を塗ることを許されず「ここはこういうふうに塗りなさい」と言われているような不自由さを感じる。
ねこぺん家族

特別編13.無償の愛は抱けないだろう

僕自身の親について考えることも増えた。あれは「無償の愛」なんかではなかったのかもしれない。
ねこぺん家族

特別編12.歩幅を合わせて歩く

気を抜くとスマートフォンで「赤ちゃん・可愛い」などと検索している始末。
ねこぺん家族

特別編11.あらしのよるに

お互いの身内に妊娠のことを話した。
ねこぺん家族

特別編10.そこには猫がいた

残暑の季節。妊婦健診に同行させてもらった。
ねこぺん家族

特別編9.「なんでいつも家にいるの?」と疑問に思われたい

お金のことはどうしても考え直す必要があった。
ねこぺん家族

特別編8.自分が無力だからこそ

この時ばかりは男の無力さを感じた。
ねこぺん家族

特別編7.色々なひとに助けてもらうのだろう

手帳を受け取った後は区の職員の方と面談して行政から受けられるサポートやらその使い方やらについて話をしてもらった。
ねこぺん家族

特別編6.小さいけれど確かにそこにいる

夏をふたりきりで過ごすのはひとまずこれが最後ということになる。
ねこぺん家族

特別編5.変化の速さについていかなければ

具合が悪くなることはもちろん知識として知っていたのだけど。
ねこぺん家族

特別編4.いつかあなたが読んでくれますように

そのとき僕はあまり気の利いた返しをすることができなかった。「おお……!」とか「すごいねえ……!」なんて言うばかりで、おそらく間抜けな顔をしていただろうと思う。
ぺんかわ日記

AM2時・懐かしさのこと

子どものころ「懐かしい」はすごく遠くにあるものだと思っていた。
ぺんかわ日記

AM2時・終電はもうない

むかし学童保育施設で働いていたとき出会った電車好きの男の子のことをよく覚えている。
ぺんかわ日記

AM2時・雨

子どもの頃は雨が降っても傘をささずに平気で外に遊びに出かけていた。