辺川 銀

掌編小説

気持ち良い自傷と胸に息づくトカゲ

トカゲの頭に触れた瞬間わたしはこころの半分をあのひとに渡した。名前も素性も知らないままで夜がくるたび落ち合いそのたび情を交わした。味も温度も質感も痺れもすべて覚えている。
ぺんかわ日記

果たして自分は何者だろう?とサイコロを転がす①①①①①①

ヒトビトというのは目が不揃いなサイコロのようなモノです。
掌編小説

理想の世界のこと

クローゼットの扉を開けると理想の世界がある。そこに住む『パパ』は私の父とは違いきちんと仕事をしている。
ぺんかわ日記

あの場所に幸せが残っていますように

顔も知らない誰かの幸せにもあやかりたいと思った。
ぺんかわ日記

ロボットを作る

思うところがあるので子どもの頃のことを何度かにわけて描いていこうと思う。
ぺんかわ日記

ペンギンを好きになった日のこと

「どうしてペンギン好きになったんですか」と訊かれることが何故か最近多い。
掌編小説

壊れた玩具と無限の彼方

私は想像する。幼い頃のこの人は、どういうふうに玩具で遊んだだろう。きっと手荒に遊んでいただろう。この人のもとにやってきた玩具は、傷や汚れや欠損が絶えなかっただろう。
掌編小説

鳴けない蝉の夏

彼女は私が過去に出会った誰よりも美しい造形をしていた。にもかかわらず彼女はいつも自分自身を粗末に扱った。
ねこぺん家族

8月16日:フライドポテトに非ず

昨日は日帰りで栃木の実家に行った妻がお土産にいもフライを買ってきてくれた。
ぺんかわ日記

からだの形はそれぞれ違う

取材で障害者スポーツに触れる機会があった。
掌編小説

二度とあえなくても、またいつか

父は転勤が多いひとだった。僕は幸い行く先々で友だちを作ることに苦労しなかったが、それでも「自分はよそ者だ」という引け目は常に感じていた。
掌編小説

自殺する本能

いざその時を迎えると僕の身体は思ったように機能しなかった。「はじめてなら上手くできないのは珍しいことじゃないよ」お姉さんはそう言ってもういちど僕の頭を撫でた。
ぺんかわ日記

疲労日記

疲れというのは難儀なもので忙しくしている時にはそれほど感じないのに気が抜けたとたん一気にやってくる。
ぺんかわ日記

トイストーリー4を観てきた(ネタバレなし)

トイストーリー4を観てきました。
掌編小説

わたしより綺麗な子と仲良くしたくない

わたしがリーコの友だちで居るのは彼女がわたしより醜かったからだ。