掌編小説

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ナゴ

ぼくは野良の猫で、だから本当はぼくに名前なんかないのだけれど。ナゴ、という名前で呼ばれることを、ぼくは嬉しいと思うのです。
掌編小説

わーるどえんど・びにーるるーむ

わたしたちはずっとここにいるの。だけど寂しいことは、なにひとつないのよ。あなたひとりさえいれば、わたしは充分ですもの。
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ペンキと老人

その老人には、毎晩、眠る前に、しなければいけない決まりごとがあります。それは部屋の壁に、バケツ一杯分の、ペンキを、ぶちまけることです。
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大魔王様

僕はあんまり、大魔王様がわっはっはとか笑うの、見たくないって思う。だから頑張って勇者に勝とうって戦うけど、でもやっぱり、僕もやられちゃう気がする。
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RAT

その子は恋い焦がれるように、天国を語った。次の日の朝になるとその子の姿はもう箱の中にはなくて、きっと天国に行くことができたんだなとぼくは思った。
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Pちゃん

ぼくがひとりで居る時だけ、Pちゃんはやって来ます。ぼくはPちゃんと一緒に、お喋りしたり、本を読んだり、テレビを見たりします。