掌編小説 寒い場所からあなたは来たのだという 娘はこの砂漠を出て都会で暮らしたいと答えた。若い時間をこの砂漠の中で終えてしまうのは辛いと、消え入るような力のない声で言った。 2013.02.03 掌編小説
掌編小説 ミルクティーの海 この場所は楽園だからこの場所を出てミルクティーの海の向こう側なんか行っても、そこには悪いものしかないんだ。そう言う彼は悲しそうな表情をしていた。 2012.10.20 掌編小説
掌編小説 すこし違った遊びをしてみただけ わたしたちまだ中学生で、だからたぶんこの中で私だけがそのことを知ってる。放課後になるとわたしは部活動をさぼって男の家に出かける。 2012.08.15 掌編小説
掌編小説 機械は拗ねてもエラーを起こせません あなたの笑顔を目にしたわたしは条件反射で幸福感を感じた。あなたの幸せがわたしの幸せだと、恋人同士だった頃に刷り込まれたからだ。 2012.08.12 掌編小説