掌編小説 すこし違った遊びをしてみただけ わたしたちまだ中学生で、だからたぶんこの中で私だけがそのことを知ってる。放課後になるとわたしは部活動をさぼって男の家に出かける。 2012.08.15 掌編小説
掌編小説 機械は拗ねてもエラーを起こせません あなたの笑顔を目にしたわたしは条件反射で幸福感を感じた。あなたの幸せがわたしの幸せだと、恋人同士だった頃に刷り込まれたからだ。 2012.08.12 掌編小説
掌編小説 恋ならば落ちよう愛ならば誓おう 誰よりも速く飛べる飛行機を求めていたゴンゾは一目でアバンテに恋した。それから十二年の月日が経ち、今のアバンテは一昔前の終わった名機に過ぎない。 2012.08.03 掌編小説
掌編小説 ウサギ怪人の話 怪人に助けを求められても大抵は罠だから相手したらいけないっていうのが社会の常識だった。なのに私はウサギ怪人の小さな身体を背負って家へ運んでいた。 2012.03.17 掌編小説
掌編小説 笑う雨の日の虫けら あいつはハエだからいじめられている。ハエは一見普通の人間と区別がつかない見かけをしているが、背中に一対の羽根をもっており、そこだけ違っている。 2012.02.24 掌編小説