掌編小説 わたしは代替品 あのひとは彼女に深く心酔していた。もはや信仰といってもいいぐらいに。だから彼女が去っていったあと、あのひとはまるで偶像を彫る僧のように数十年もの歳月を費やし、彼女とまったく同じ姿形の、生きた人形を作り出した。 2016.07.28 掌編小説
掌編小説 くらげは今日もつめたいところで眠る あの時から、自分が誰かを好きになることはとても悪いことで、いつか誰かに好意を受け入れてもらえる時が来るまで、許されることはないんだろうなと思ってしまっている。 2016.05.15 掌編小説
掌編小説 橋の途中にて この橋の向こう側に行ってはいけないと大人たちから強く言われていた。だから私は橋より手前のことなら何でも知っていたが、向こう側のことは何も知らなかった。 2016.05.08 掌編小説
未分類 表現の自由とか作家の傲慢とか世界への敬意 仕事の中でアーティスト寄りのひとを取材する機会が結構あるのだけど、その中で「創作における表現の自由はどこまで許されるのか」みたいな話題が出ることは結構多いので、自分の考えを整理するという意味でもここに書こうと思う。 2016.04.25 未分類
未分類 結婚式をやった 2/27に結婚式をやった。40人ほどしか入らない小さな会場に親族だけを呼んで。1週間前までは雨の予報もあったのだけど当日を迎えてみたら雲のひとつもなかった。僕の入場シーンで扉が開いた瞬間の歓声。目を真っ赤にしていた自分の両親や弟たち。彼らが[全文を読む] 2016.03.01 未分類